その23 ひな祭りへの想い!「青い眼の人形」

ほくろ山下清

2012年02月27日 16:21

★童謡「青い眼の人形」
*作詞 野口雨情
*作曲 本居長世

a 青い眼をした
 お人形は
 アメリカ生まれの
 セルロイド

b 日本の港へ
 ついたとき
 一杯涙を
 うかべてた

c わたしは言葉が
 わからない
 迷い子になったら
 なんとしよう

d やさしい日本の
 嬢ちゃんよ
 仲良く遊んで
 やっとくれ

★おなじみの童謡「青い目の人形」は、または「友情の人形」と称された。太平洋戦争以前に日米親善活動の一環として「日本のひな祭りに人形を送ろう!」とのことで全米から集められ送られたものである。ときに1927年に12,739体が日本全国に送られたという。もちろん、ここ沖縄へも。その後、太平洋戦争勃発!敵国の人形は処分せよ!とのことで多くの人形が焼き捨てられた。しかし、中には隠し持っていた方々のおかげで現在300余体が戦後の日米親善の歴史資料としてあちらこちらで保存されている。ここ沖縄の北谷町にもあるらしいとのこと!いつの日かその情報を確認したいものだ。

★この曲は素晴らしい名曲である。野口雨情の詩情を本居長与のメロディーでその哀愁を見事に表現している。

【このうたは単なるお人形のうたではない。地球上の全ての人々は兄弟なんだ。仲良くしなさいという雨情の愛と平和のメッセージなんだ・・・《この童心には国境がない。この童心には格差がない。この童心には和を教える》~(いらみなぜんこ冊子「童謡のふるさとを歩く」より)】

この曲を分析すると・・・
◆歌詞a→明るい情景を「ヘ長調(明るい感じ)」で歌い、歌詞b・cは「日本の港に着いた後の不安な心情」を「ヘ短調(同名調の悲しい感じ)」で歌い、そして、歌詞dは「日本のお嬢ちゃんたちと明るく遊んでほしいとの心情」を、最初の明るいメロディー「ヘ長調」で締めくくられている。「アメリカから来た人形が日本で楽しく過ごして欲ほしい!」との作詞者・作曲者の意図が心に響く名曲である。

★この曲をうたうたびに私が幼い頃に「アメリカハーフの子供いじめ」を思い出す。ここ沖縄は戦後アメリカさんと結婚した人が子供を産み、金髪や姿容姿が違うとのことで「アイノコ~アイノコ~」と言ってイジメがあった・・・そのような辛い人生に負けずにいまや立派に生きている方々を見ると尊敬する。私の知人もロック歌手(M・E氏)として今や沖縄にはなくてはならない重鎮である。
 来る3月3日は「ひな祭り」・・・世界中の全ての子供達が幸せに暮らせる世の中であってほしいと願う。基地のない沖縄でのびのびと生きる子供達の幸せが早く来ますように・・・